PDB seminar #006

阿部 由希子 先生

2022年7月21日15:00(JST)より、東京大学医学系研究科 附属疾患生命工学センターの阿部 由希子 先生にご講演いただけることとなりました。阿部先生は昨年、新た高効率な遺伝子改変マーモセット作成法について報告されました(Abe et al., 2021, Scientific reports)ご興味ある方、奮ってご参加ください。

講演情報

"自家移植法を用いた脆弱性X症候群

モデルマーモセットの作製"

阿部 由希子 先生

東京大学医学系研究科

附属疾患生命工学センター

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Abstract

コモンマーモセットは小型で取扱いが容易であり、性成熟が早く繁殖力も高いため、発生工学に適した実験動物である。また、前頭前野が発達し、社会性に富むため精神・神経疾患モデル動物としても注目されている。我々はこれらの特性に着目し、脆弱性X症候群モデルとなるFMR1ノックアウトマーモセットの作製を試みた。当初は、FSH投与による過排卵処理をしたドナーメス卵巣より未受精卵を採取し、体外成熟、体外受精、ゲノム編集の後、8細胞−桑実胚まで培養し、性周期を同期化したレシピエントメスの子宮内に移植する従来法を用いていた。しかしながら、7−10日間の体外培養の間に発生を停止してしまう胚が多く、また、移植できるstageまで発生したとしても、比較的小規模な我々のコロニーには経産メスが少なく、子宮内への移植が困難であった。そのため、胚発生率および妊娠率の向上を目的として、自然交配卵を即座にゲノム編集し、採卵したメスの卵管内に戻す「自家移植法」の開発を開始した。自家移植法では、体外受精卵よりも発生率の高い体内受精卵を用いることや体外培養時間を30分程度まで短縮ができることから高い胚発生率が期待できる。さらに、ドナーとレシピエントが同一個体であるため、別個体を用いる従来法よりも妊娠率が高いと考えられる上に、使用動物数の削減も可能である。これまでに、この自家移植法を用いて14頭のFMR1変異マーモセットと6頭のFMR1/GRM5二重変異マーモセットを得ている。本セミナーでは、主に自家移植法の手技について紹介する予定である。

Program

日時:2022/ 7/21 | 15:00~ (JST)

開催形式:オンライン (Zoom)

言語: 日本語

Organizer

渡部 聡朗 (国立成育医療研究センター)

中村 友紀 (京都大学 白眉センター/ASHBi)

阿部先生には大変興味深いご講演をいただきました。
また饗場先生には、質疑にご参加いただきありがとうございました。
お忙しい中ご参加いただき、ありがとうございました!